落ち着きのない子はおかしいの?
「ウチの子は落ち着きがなくて、一日中いっしょに居ると疲れ果ててしまう…どこかおかしいのでしょうか」。お母さんからよく相談される悩みの一つですが、コロナ禍のもと家で過ごす時間が長くなった今、この悩みは切実です。こういう場合、子どもの発達に問題や障がいがあると思われがちですが、ほとんどは大人側の問題です。つまり、子どもの気もちを理解して大人が接し方を変えれば、子どもの行動は落ち着きます。
以前お預かりをした3歳の女の子は、お気に入りの保育士をひとり占めしたくて、お部屋から飛び出したり、激しく泣いたり、お友だちを叩いたり、お弁当を食べなかったり、様々なアピールをしていました。お母さんに伺うと家庭の事情で忙しくて充分に構ってあげられていないとのこと。ほんとうはお母さんにたくさん甘えたくて、お母さんをひとり占めしたかったのでしょう。そういう気もちが充たされないままでは、構ってもらいたくて問題行動をくりかえすばかりで、落ち着いて生活することはできません。職員間で相談して、まずは思いきり「あかちゃんのように」甘えさせてあげることにしました。今お母さんが難しいのなら、代わりにお気に入りの先生をひとり占めして…。しばらくすると、いつの間にか駄々をこねるような様子は無くなり、遊びに集中して楽しむ姿が見られるようになっていました。彼女が成長した姿は、理解して受けとめてくれる人の存在がいかに大切か、いかにお子さんに自信を与えることかを、私たちに再認識させてくれたのです。「ウチの子おかしいの?」と思う前に、ぜひ思いきって甘えさせて受けとめてあげてください。心が安心して落ち着けば、きっと行動も自然に落ち着きますよ ♪ ♪